生きよう

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2014.07.21 Mon 生きよう

車にはねられた老婆を救護した。

国道を大きく右折する車に、横断歩道を自転車で渡る途中で

はねられたようだ。

僕は車をすぐに止めて、老婆のもとに駆け寄った。

先に異変に気づいて彼女のもとに駆けつけていたライダーが、

呼吸や意識の確認をしていた。

意識はあった。

うつ伏せから仰向けに変えてみると、口と鼻が血だらけだった。

一人は頭を、一人は足を、僕は胴体を抱えて、運ぼうとした時、

僕の足が崩れた。

非常に重かった。

僕はもうひとり来てくださいと言いながらも、

もう一度抱き上げた。

とても普段の状況なら無理だったであろうが、火事場の馬鹿力である。

老婆をはねた男は、手伝うこともなく、呆然としている。

お前がはねたんだろう、運ぶのを手伝えと言いたい気持ちだったけれども、

もう体は彼女を移動することに集中していた。

救急車が来るのを確認して、仕事に戻った。

ハンドルを握る手の拳から血がにじんでいる。

彼女を抱きかかえる際に、アスファルトで削れたようだ。

ワイシャツもズボンも靴も、血で汚れている。

僕は拳から滲む血を無意識に舐めて、

彼女の血で汚れた自分自身を見て、

ふと、感染症のことを心配した。

会社に戻ったあと手で血に濡れた服を洗った。


夜中目覚めると、家からは遠く離れた駅だった。

そうだ、会社の先輩と飲んで、ひどく酔っ払って、

電車に飛び乗って、気が付けば終点。

慌てて階段を下りて逆のホームに行こうとすると、

もう電車はありませんよと、機械的な言葉を浴びせられる。

あーやっちゃったなと、改札を出て歩いてみるも、

ビジネスホテルは見当たらない。

街角に立つ若いおまわりさんに聞けば、

「この辺にはありませんねえ。」

「酔っ払っちゃって、乗り過ごして、どっか泊まれるとこないですかねぇ?」

「24時間やってるのは、ここのマックとこの先のマンガ喫茶くらいですかね。

勧めはしませんけど、、。」

初めて個室のマンガ喫茶に入った。

リクライニング式の椅子を伸ばして、始発まで眠った。

帰りの電車で気持ち悪くなって、もどした。

運良く白い袋を持っていたのと、下りの始発には乗客がまばらだった。

途中の駅でうがいをした。

昨日の拳を舐めた血の味と、始発電車に乗り込む前に飲んだポカリが、

酸っぱく入り混じっていた。
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