生きよう

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2012.11.23 Fri 生きよう

「もっと、こげ!もっともっと!!」

吸い込まれるように走り出した自転車に向かって

僕は大声で叫んだ。


僕が父親として子供にしてやったと胸を張って言えることは

自転車の乗り方を教えたことぐらいだ。

三人の子供がいれば、三者三様。

性格も運動神経もセンスも違う。

教え方も徐々に上手くなり、三人目の長女には

のんびりと負担を掛けずに時間をかけて、補助輪をはずした。

次男は生まれつきバランス感覚がいい。

広場で数時間、数日、教えただけで、

軽々と乗りこなし、8の字をきった。

ただ長男だけは別だ。

根性と力は人一倍あるのだが、

逆に腕に力が入りすぎて上手くいかない。

何度後ろから支えても、走りだすと倒れる

その上、目線が近くハンドルがぶれる。

もっと、力を抜け。遠くを見ろと言っても同じ。

そのうち、人の話を聞かなくなり、

ますます意固地になって自分のやりかたを通そうとする。

センスの悪さだけでなく、性格も合わさって

ますます覚えが悪い。


やがて、同学年の子供たちはみな補助輪なしで走りだす。

一週間に一度公園で数十分教えるのだが、なかなか覚えない。

力強く後ろから押して手を離すのだが、

手を離したと同時に倒れてしまう。

言うことを聞こうとしない長男に、いらつき、教え方も雑になる。

最初は一生懸命だった長男も、

倒れる姿を近所の子供たちや

その母親達に見られるのが恥ずかしいのか

やがて、練習を嫌がるようになった。



「今日は練習しないのか?」

公園に行っても、まわりの子供たちをみると

自転車に乗らずに帰って来た。

とうとう、その日は練習をしなかった。



ふと、夜になって、ビールを飲みながら、

あの時の寂しそうな子供の顔を思い出した。

なんか、せつない気持ちになった。



僕は朝、30分早く起きると、

「ともや、マンションの下で練習しよう。

朝なら誰も見てないから」


僕もあせり過ぎた。

子供のことをよく見ずに、考えずに

自分の気持ちのまま、

こうあるべきだというのを押しつけていたかもしれない。



最初から少しづつ、両足をついて少しづつ

慌てずに、その子をよく見て

その子にあわせて気長に怒らずに、

毎日15分ずつ。

5メートル、10メートル…

次の日も

その次の日も

そして、またまたその次の日も練習した。

「よし、今度の休みはあの公園でまた練習しよう」


休みの日、空は晴れていた。

少しだけ緊張する長男の鼓動を感じる。

「いいぞ、その調子、少しでいいからな」

そうはいってもそんな簡単には乗れやしない。

「おっ!もう少しで走れそうだぞ」

「あぶない!大丈夫か、怪我してないか、もう帰るか?」

長男は首を横に振った。

倒れても、倒れても立ちあがってくる。

6歳のほんの小さな子供が

何かを掴もうと、負けん気だけで立ち上がってくる。

膝をすりむいても、少し走れた喜びに立ちあがってくる。

その時だ、ツバメの子供が時を迎えて空に飛び立つように、

スーっと自転車が走りだした。

「こげ、こげ、こげ、、、!」

僕は大声で叫んだ。

力いっぱいペダルを漕ぐ子供の後姿。

僕はとても嬉しくて興奮して叫んだ。

「こげー!」



倒れた自転車を起こしながら子供のズボンについた泥をはたいた。

ともやは自信満々の顔をして、どうだと言わんばかりに僕をみた。

夕暮れ時、ちっちゃな息子とふたり、話しながら帰った。

「今日はカレーかな?

ママに報告しような。

ご飯たべながら!

走れるようになったって。

ママ、驚くぞ!!」



あの日のことを忘れないでほしい。

人はいろいろ

頭の良い奴、悪い奴

運動神経の良い奴、悪い奴

センスの良い奴もいれば悪い奴もいる

だけど、大切なのは目標に向かって

なんとか、頑張れる奴でいられるか?ってことだと思う。

良いも悪いも人それぞれの個性。

自分を好きになって、他人を好きになって

良い悪いにこだわらない、好き日を歩いて欲しい。

あの日、何度倒れても、何度倒れても、立ちあがり

膝をすりむいたり、手を怪我したり

痣を作っても、立ちあがって

歯をくいしばって頑張った、小学1年生の6歳の自分を

忘れないで欲しい。



走り出した時に、懸命にペダルをこぐ小さな後ろ姿。

あの日の感動と、喜びを僕も忘れずにいたい。

いつか社会に出て、苦しさに負けそうになった時、

倒れても、倒れても、、

何度でも立ち上がった自分がいたことを、

思い出して欲しい。


これから、まだまだ遠く長い道を

自分の足で歩いていかなけりゃならないな。

たいへんだな!

もちろん、俺もたいへんだよ!

まだまだ、働かないと、頑張らないと!!



明日が幸せな日々でありますように。

そして、

今日も好き日に…。


2009.06.16記す
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